ミスコンにも入賞「タレント女医」の勃興期から隆盛期へ

それでも、時代は徐々にタレント女医を受け入れるようになる。

1996年にミス日本フォトジェニックを受賞した西川史子さん(整形外科医)に続いて、2004年には友利新(ともり・あらた)さん(内科医)が準ミス日本を受賞。香山リカさん(精神科医)などワイドショーやバラエティー番組で、タレント活動する女医も徐々に増え、世間的にも女医という職業に華やかなイメージが付加されつつあった。

そして2010年、著作の『女医が教える 本当に気持ちのいいセックス』シリーズ(ブックマン社)が大ヒットし、宋さんは時の人となった。大阪大医学部卒の才媛ながら下ネタにも対応するフレンドリーな一面も人々に支持された。

この頃から、ミスコン入賞する女医・女子医大生が急増していった。

2013年には、ミス東大ファイナリストの医学部生が、TBSキャスターに起用された。2015年には、東京大学医学部生が準ミス日本に入賞した。2016年には東京医科歯科大の医学部生が準ミス日本に入選し、BSフジでキャスターとして活躍した。

「女子アナ→女医」というキャリアパスも確立されつつある

従来のタレント女医は、医学部の中では、さほど偏差値の高くない私立医大出身者が主流だったが、タレント女医も量の増加と並行して、東大・慶應・ハーバード……と、質的にも文句なしの才媛女医が台頭するようになった。

昨今の女医問題を筆者が考察した新刊。筒井冨美『女医問題ぶった斬り! 女性減点入試の真犯人』(光文社新書)

また2016年、慶應義塾大学を卒業後、NHKアナウンサーや気象予報士として活躍していた小島亜輝子さんは出産を経た後、医師を目指し、31歳で私立医大に入学。さらに2018年、NHKアナウンサーの島津有理子さんもNHKを退職して、44歳で私立医大に編入学した。「女子アナ→女医」というキャリアパスも確立しつつあるようだ。

2019年には、東京大理科三類(医学部教養課程)の学生が、ミス日本グランプリという美のビッグタイトルを獲得し、知と美の頂点を手にした究極の才色兼備女性が誕生した。

従来のミスコン入賞医大生は、グランプリには及ばない「準ミス○○」「フォトジェニック賞」などのサブ的な受賞が多かったが、今回は文句なしのグランプリである。同コンテストではファイナリスト13人の中に東大理三女子が2人残ったことも話題になり、もう一人は「ミス海の日」に選ばれた。