日本中を包む祝賀ムードに、水を差した一言
6月5日、お笑いコンビ「南海キャンディーズ」の山里亮太さん(42)と、女優の蒼井優さん(33)の結婚報告会見が開かれ、「令和最初の大型カップル」と日本中が祝賀ムードに包まれた。
ところが翌6日、それに水を差した人がいた。
フジテレビ系の情報番組「とくダネ!」で木曜日レギュラーコメンテーターを務める産婦人科医・宋美玄(そん・みひょん)さん(43)が「女性目線でいくと、(中略)私はちょっと……子供の顔が心配な人は無理」と、山里さんの容姿を揶揄したのだ。
すると、SNS上には「超失礼」「お祝いムードを壊しすぎ」「こういう事、診察中も思っているのか」といった非難コメントが殺到し、炎上状態になった。
6日夜、宋さんはツイッターで自身の発言について、「蒼井さんは美しい女優さんで外見にコンプレックスがないのが羨ましいということが言いたかった」と謝罪した。山里さんとは以前テレビで共演し、気心を知る仲だったため、「つい面白がって過激な表現となってしまった」としている。
これに対し山里さんは、翌7日に「親しみを込めての言葉だと受け取っております。(中略)そこらへんのパンチは余裕で受けなれていますので」とツイッターで応答。フォロワーなどは「神対応」と評価し、自身の株をさらに上げた。
これまでにもこうしたタレント女医がらみのトラブルはあった。本稿ではその歴史を振り返ってみたい。
「タレント女医」はいつどのようにして誕生したか
私が医大に入学した昭和末期、世間に「タレント女医」という概念はなく、マスコミに登場する女医も、「心臓外科医から宇宙飛行士に転身した内藤(現・向井)千秋さん」のような「名誉男性」的な女性が目立った。
また、当時はいわゆる「女子大生ブーム」の時代でもあり、ファッション雑誌やバラエティー番組では、「しば漬け食べたい」というCMのフレーズで有名になった故・山口美江さんのような「バイリンギャル」を輩出した上智大学、「スチュワーデス予備校」と呼ばれた青短(青山学院女子短期大学)、「S女子大(校則で学校名を出せないのでイニシャルで表記されていた)」こと聖心女子大学などの学生がメディアを席巻していたが、そうした華やかな場所で女子医大生が登用されることはほとんどなかった。