「交際」ではなく「結婚」を提案

その“動揺”とは、山里さんが自分よりも最適なタイミングで、最初にして最後の「結婚カード」を切り、大成功したことに対して、です。彼は、芸能界で活躍して以降も、プロポーズのカードを安売りしなかったのです(南海キャンディーズは、2004年のM-1グランプリで準優勝している)。18年刊行された著書『天才はあきらめた』にも、「目標は、モテるために芸人になる、に決めた」と記しているように、彼は自分の男性としてのバリューが最大値になるまで、つまりはゲームのルールが変わるまで待ち、ウケる努力とデート経験値を重ね続けたのです。そして、蒼井さんに「交際」ではなく「結婚」を提案して、それまでの全リソースを投下する短期決戦に持ち込んだのです。交際期間は2カ月。これまで築いた価値観をぶつけ、デートでおもてなしをする。互いを非日常状態に置き、一気にクロージングする「大人の戦略」です。これにより、長期間の交際に伴う“減点”を避けることができました。

後者の、山里さんのみに備わる「特殊的有利性」とは、彼の知名度や評判が、蒼井さん含め流布されていたという点です。彼女は山里さんと会う前から「尊敬している」と友人で山里さんの相方のしずちゃんに口にしていたそうです。つまり、まったくの初対面の男女が“交際0日婚”という篠田麻里子さんのような例とは異なり、蒼井さんはすでに山里さんの努力や仕事への姿勢を知る“潜在的購買層”であったのです。自分の前評判を知っていたことが彼が迷わずアタックした根拠と言えます。

最後に、2人に離婚の危機が訪れるのは、どんな場合かを言及しておきましょう。それは蒼井さんが山里さんに尊敬の念を持つことがなくなったときです。40代以上の男性にとって危機なのは容姿の劣化ではありません。

(写真=時事通信フォト)
【関連記事】
創価学会「日本民族に天皇は重大でない」
"日本式共稼ぎ"はなぜこれほど疲弊するか
稼ぐ男ほど、稼ぐ女性と結婚したがるワケ
眞子さまの結婚問題に誰もが口を挟むワケ
中田敦彦がお笑い以外の仕事に全力なワケ