知り、学び、考えることの面白さを気づかせる

常識に染まり、批判的な視点からの知識の再構築の姿勢が身についていなければ、ユニークな問題定義や課題発見・定義はなかなかできません。これでは、これからの予見性の低い社会で、激しい環境変化に適応するのは、かなり難しくなるでしょう。

問題定義と課題発見能力を高めるために必要なのは、教養と言えるでしょう。教養とは、自ら獲得した知識の意味を考え、それらを次々に拡張し、つなげて、自分なりに再構築していく、身体に埋め込まれた「学ぶ」、「自分の頭で考える」姿勢、知的好奇心ともいえる動的で能動的なモノです。

「これが最良の方法なのだろうか」と問い続ける健全な懐疑を持つことが教養の基礎であると思いますし、これが、事実から意味を汲み取れることにつながるのです。

「知りたい」から「学びたい」、「学んだ」から「考えたい」という流れを面白いと思うことが重要です。これは、筆者が、ゼミで最も重視している点です。「もっと知りたい」ので、広く興味を持つことが第一歩であり、「考え続ける」という姿勢を身につけることが、課題発見の能力を高めることにつながるのです。

読者のお子さんが、問題定義と課題発見能力を高めるためには、以下のポイントに着目して、多くの経験をさせ、失敗を重ねさせてほしいと思います。筆者も、自分の子どもには、自分が常識と思っていることは、必ずしも常識ではないことを、身をもって感じさせるために、小さい時から、海外も含めていろいろな社会と触れる経験をさせてきました。このような経験を繰り返しさせることが重要です。

わが子の発見能力が高まる8箇条

以下に課題発見の能力を高めるために必要な8つの力を挙げてみました。

1.批判的なゼロベース思考と常識からの離脱

常識に囚われないで考える癖をつける。常識を疑う際に重要なのは、必ずしも大勢の意見に反対することではなく、自分の頭を使ってゼロベースで考えることである。

2.ファクトベースの思考

数字等のデータをまず確認する癖をつける。その際に、そのデータの出所や切り取り方は適正なものか、より有益な現象や関係性を浮かび上がらせる別のデータの切り取り方はないかなどを常に考える癖をつける。

3.「思い込み」を捨てて「思いつき」を拾う

自分の成功体験や他人の助言を最善として鵜呑みにするのではなく、より良い方法はないか、代替案はないかと、柔軟に思考をめぐらす。

4.ピラミッド型の分析的論理構築力

階層的に論理を組み立てる力をつける。そのためには、物事を論理的に分析し、優先順位をしっかりとつけて物事の再構築を行える必要がある。