食品や飲料を「買ってはいけない」本当の理由

では100円ショップで買ってはいけないものはなにか。その代表は、調味料を除く食品や飲料だ。クオリティーの話ではなく、ズバリ価格面である。かつてはスーパーやコンビニよりも安く買えたため、100円ショップのオトク度ナンバーワンは食品やペットボトル飲料だった。だが、平成後半にかけて事情が変わった。

安さを求める客にアピールするため、スーパーやコンビニエンスストアのPBブランド食品には100円を切るものが並び、ドラッグストアも客寄せのために食品を激安で並べ始めた。ドラッグストアなら菓子類が88~98円、ペットボトル飲料や缶コーヒーも78~88円程度で買える。100円ショップの優位性は薄い。

しかも、100円ショップはアプリやポイント制度に積極的ではないため、日常的に使う食品はPB商品やドラッグストアの商品を買い、その店でポイントを貯めたほうがトクだと言える。

「よりどり2つで100円」は狙い目

100円ショップの最大の弱点は、その売りでもある100円という価格だ。すべて100円ならいちいち値札をつける手間がいらないから均一ショップが生まれたという逸話があるように、原則的には100円以下に値下げできない(店舗によっては見かけることはあるが)。そのため、割引が容易なスーパーやドラッグストア、ディスカウントストアに価格で負ける商品も出てきてしまうわけだ。PB商品の中にはわざと98円と2円下げ、100円ショップに対抗しているのではと感じるものも多い。

しかし、そこは100円ショップ側も考えている。最近は「よりどり2つで100円」という表示が登場している。100円という価格は崩さず、数で勝負というわけだ。ペットボトル2本で100円、菓子が3つで100円は、当たり前に見かけるようになった。この手の100円なら買ってもいいだろう。

なお、地方の大型店に行くと、大型のインテリアやエクステリア用品も扱っている。連結して使うコルクマットや組み立て式スチール家具のパーツが、一点100円で売られているのもよく見かける。一つで事足りるものならいいのだが、組み合わせるべきパーツがいくつも必要な場合は、割高になりかねない。ホームセンターやネットショップで購入した方が安くつかないか、冷静にカウントした方がいいだろう。