北方領土・国後島における不祥事で批判を浴びた丸山穂高衆議院議員。発覚当初は威勢よく反論していたものの、詳細が明らかになると療養が必要との診断書を示して「雲隠れ」。飲酒の上でのトラブルを挽回する手立てはなかったのか。橋下徹氏が具体的なノウハウを示す。プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(5月28日配信)から抜粋記事をお届けします――。

国会による辞職勧告はやりすぎだが、丸山氏は辞職すべき

北方領土ビザなし交流で国後島を訪問し、大騒動を起こした丸山穂高衆議院議員は、2カ月の休養が必要との医師の診断書を出して表舞台から姿を消してしまった。

松井一郎日本維新の会代表からの辞職要求を突っぱね、野党が共同提出した辞職勧告決議案にも真っ向から反論。

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さらに丸山氏は、もし国会が辞職勧告決議をするなら徹底して反論するし、場合によっては国会や国会議員の問題点を暴露するような姿勢を見せた。

その後、日本維新の会が駐日ロシア大使館に謝罪に行ったことを「意味不明」とぶった斬り、いつでも自分の考えを表で説明すると啖呵を切った。

※写真はイメージです。(写真=iStock.com/ronstik)

ところが、後の報道で丸山氏の問題行動が次々と明らかになった。外務省が単独での夜間外出を避けるように要請していたのに、丸山氏は酒に酔って「女の子の店に行くので外出したい!」「ここが日本であることを俺が証明してやる!」「国会議員には不逮捕特権がある!」と大騒ぎしたらしい。「おっぱい」という言葉も発したとか。

そうするとあれだけ強気だった丸山氏はあえなく撃沈。2カ月の休養が必要との診断書を提出して姿を消した。

病名は「適応障害」だとか。

そう、丸山氏は国会議員の環境には向いていないのだ。先ほども述べたが、国会による辞職勧告決議に僕は反対だが、丸山氏は即刻自ら辞職すべきである。

というのも、この2カ月の休養の間にも、丸山氏には月額129万4000円の給料と、なんと約296万円(昨年実績、6月支給)のボーナスが支給されるのだ。

ここまでの報道が出たのに何の説明もすることなく雲隠れして、その上これだけ多額の金員を受け取るというのは、納税者の視点から到底許されることではない。