石原さとみさん、鈴木亮平さんの遺伝子検査の結果は

番組特設サイトもオープン。司会はタモリさんと山中伸弥教授が務める

では自分の遺伝子はどうだろうと知りたくなると思いますが、DNA検査もDNA解析と同じく進化の途上にあります。

今回、ゲストの石原さとみさんと鈴木亮平さんがDNA検査を行い、その結果を第1集の番組内でご紹介します。「遺伝子検査はどこまで信頼性があるのですか?」という質問をよく受けます。番組では、司会の山中教授が、一般的な遺伝子検査の受け止め方について、丁寧に解説してくださいます。

たとえば耳たぶの大きさは3、4個の遺伝子によって決まりますから、遺伝子を検査するとある程度納得のいく結果が得られます。一方で、「薄毛」は複数の遺伝子が関係していて、その一部だけを解析しても正しい結果とは言えません。また生活環境にも大きく影響を受けます。遺伝子検査は、検査を受ける側のリテラシーが欠かせません。

断定的に報じることの危険性

山中教授は、「100%確かなことは何もない。だからこそ科学は面白い」と常々仰っています。世の中には「これが正しい」と科学を断定的に報じる情報が溢れています。テレビもそうです。この番組では、研究のレベルに応じて「これは仮説です」といったように、説明を加えるよう心がけています。「分からないことは分からない」ときちんと伝えていくことも、とても重要なことだと思っています。

遺伝子によって何がどこまで決まるのか。今はそのスクリーニングをかけている真っ只中です。可能性を秘めた世界の入り口に立ったにすぎません。医学の最前線、研究者の方々の探究心から目を離すことができません。

浅井健博(あさい・たけひろ)
NHK大型企画開発センター チーフ・プロデューサー
1972年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。1994年NHK入局。専門は科学ドキュメンタリーの制作で、主にNHKスペシャルを担当。これまで「足元の小宇宙」「腸内フローラ」「新島誕生西之島」「ママたちが非常事態」などを制作。放送文化基金賞、科学技術映像祭、科学放送高柳賞等を受賞。2017年9月からスタートした「シリーズ人体」の制作統括。
(構成=伊波達也 撮影=的野弘路)
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