TOEICの点数を効率的に上げるには、レベル別に学習法を変える必要がある。今回、5つのレベル別に「勉強法ロードマップ」を識者に聞いた。第5回は「800点台」の学び方について――。

※本稿は、「プレジデント」(2019年4月15日号)の掲載記事を再編集したものです。

公式問題集だけで、夢の900点台に到達

TOEICで900点以上取るのは、それほど難しいことではありません。私は40歳を超えて、しかも1回目のテストで930点を取りました。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/tumsasedgars)

私がやった勉強法というのは実にシンプルです。公式問題集を「問題集としてではなく参考書として使う」というものでした。そして使うのは「本誌」(問題集)ではなく、「別冊」(解答・解説)です。

まず公式問題集の「別冊」(解答・解説)を用意して、①問題の日本語訳を読み、次に②対応する英文を読んで、③解答と解説を確認します。そして、④理解できたら英文を何回か繰り返して読み、⑤英文を目で追いながらCDを数回繰り返して聞く。できたら次の問題に移り、また繰り返していきます。

こうやって日本語を読んだ後に、英語を読めばすらすらと読むことができますよね。ところが「そんなことをしたら答えを覚えてしまう」「問題を解く力や、リスニング力が養われない」と渋い顔をする人もいます。でも心配は無用です。目的はTOEICの英文を「型」として覚えることですから。

正直、TOEICに解答テクニックは必要ありません。自力で英文を訳すより「解く時間」を短縮できますし、より多くの英文に触れることができます。解くことより公式問題集の英文の「型」を、体で覚えることに集中するのです。

すでにTOEIC800点レベルの人は、これまでさまざまな参考書や問題集で勉強してきたと思います。そして公式問題集は、「試験の直前に最後の力試しとして解く」と考えていた人が多いかもしれません。まずその考えを変えてください。ほかのものに目移りせず、公式問題集にエネルギーを集中させることがポイントです。