難しく考えることはなく、近所に行きつけの店をつくるのでも構わないという。

「特にスナックがおすすめです。居酒屋とは違い、ママというファシリテーターがいるからです。会話が苦手な人でも、ママがうまく媒介になって、ほかのお客さんとの間を取り持ってくれます」(岡本さん)

諸富さんも「フラッと行ける場所はつくっておいたほうがいいですね。飲み屋とかスナックとかどこでもいいので」と同意見だ。諸富さんは、さらに異性の友達をつくることが大切だとつけ加える。「親しい異性の友達と深く交流している人は長生きできるという研究結果もあり、コミュニティの中でどれだけ異性との友人関係があるかが大事だと思います。特に男性は女性の友達がいるかどうかで寿命が決まるといわれています」。

孤独対策としてもう1つ、SNSへの依存をやめることだと諸富さんはアドバイスする。

「いま多くの人が承認欲求を強めています。SNSがそれに拍車をかけている。『いいね!』が少ないと寂しさを感じる。若者が『いいね!』の数で一喜一憂するのは仕方ないかもしれませんが、いい大人がそれでは未熟すぎる、悲しいですよね。成熟した大人であれば、人から承認されなくても、自分自身で十分に承認できる段階、人に左右されない『自己価値観』を確立していなければいけません」

孤独に苦しまないために、まずはSNSを捨て、スナックへ行こう!

岡本純子
コミュニケーション・ストラテジスト
読売新聞経済部記者、電通パブリックリレーションズコンサルタントを経て、グローコム代表取締役社長。著書に『世界一孤独な日本のオジサン』。
 

諸富祥彦
明治大学文学部教授
教育学博士、心理療法家。大学で心理学を教えるかたわらカウンセリング活動を続ける。『孤独の達人』『「本当の大人」になるための心理学』など著書多数。