私はガラパゴス化している日本の文化や習慣をわかりやすく伝えたいと考えて、日本で働く外国人向けのYouTubeチャンネルを開設しました。日本に長く暮らす人たちからも、「知らなかったことが知れた」と好評です。
各国の企業は、日本のビジネス文化に非常に苦心させられているのです。
日本企業も、海外進出に対してかつての積極性を失っています。
1980年代には、日本の会社はどんどん外国へ進出していこうという、グローバルな感覚を持っていました。
しかし昨今、日本の企業は、海外で製品を販売することはしても、現地に会社を設立するということをほとんどしなくなってしまいました。
例えばかつてのソニーなどは、非常にグローバルな企業だったと思います。ソニーのテレビ、ウォークマンなどは世界中の注目を集める「マストハブ」なアイテムでした。
しかし、現在のソニーはかつてのブランド力を失い、グローバルな企業だとは決して言えません。
もはやソニーの製品はナンバーワンでも、特別クールなものでもありません。Appleやサムスン、LGといった企業が世界的に人気を博しています。これは、ソニーが時代の流れを掴むことに失敗したからではないでしょうか。新技術を開発しても、それをどう利用するかを決め、特許を登録して商品を製造し、販売に至るまでの間に、時間がかかりすぎてしまうのです。
結果として、イノベーションそのものが致命的に遅くなり、他社にはない優れた技術、というものが失われてしまっているのです。しかし、どうしてかつての「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の時代から現状に陥ったのか。
これは、単なる一企業の問題ではありません。日本のビジネス文化そのものがこうした現象を生んでいるのです。
日本の現状は、硬直状態と言ってもいいかもしれません。日本のリーダーたちは、柔軟性を失ってしまっている。日本の組織の中に長くいると、年功序列で順当にポジションが上がっていき、あえて海外へ出よう、という意欲を抱くこともなくなってしまいます。