自己紹介では「お礼」を言う

3つ目はお礼を言うことです。「本日はお忙しいところお時間を頂戴し、ありがとうございます」。これは本来面接官が言わねばならない言葉ですが、忘れてしまうこともあります。自己紹介の際に自分から言いましょう。面接官も思い出して「こちらこそありがとうございます」と言うでしょう。

以上はいずれも、面接に入るまでの自然な流れの中でできることです。普段通りのコミュニケーションを一度は回しておくこと、相手に対してささやかな賛辞や敬意を口にして伝えること。そうすることで、ラポール(信頼関係)を形成し、過度に不自然な「緊張面接モード」に入るのを抑えることができます。

面接官の間で一般的な「S.T.A.R.」

(2)面接官は具体的・客観的な事実(エビデンス)を欲しがっている

面接官に必要なのは、「具体的な事実のもとに評価を行う」ということ。合格と判断した応募者については上司に申し送りをします。その際に、例えば「眼鏡の奥にキラリと光る目、あれは間違いなくできる人間っすよ」では通りません。「君は優秀だと言うが、この応募者は具体的にどんな実績をあげたんだ? どんな経験を積んでいるんだ?」という問いに対して、理路整然と説明をしなければならないのです。

面接官の間で一般的に用いられている、面接の進め方の考えで「S.T.A.R.」というものがあります。

SはSituation(状況)。TはTask(業務)。AはAction(行動)。RはResult(結果)。応募者が、どういった状況下で、何の業務を担当したのか。いかなる施策を実行し、どんな結果を出したのか。これらを順番に、つぶさにヒアリングしていき、把握できたところで初めて評価を行う、というものです。

ならば、応募者から、その情報を提供しましょう。