キーになるのは「フレキシブルさ」
これまでざっくりとカテゴリ別に分けましたが、何の道に進むのであれ、最近のハーバード卒業生の卒業後の進路に対する考えははっきりしています。
「一番の目的は、自分の目標を達成させること」
「その目的達成のために、フレキシブルに対応できるようにする」
という考え方です。
その時々の社会のトレンドや規範に流されず、5年後、10年後、20年後に自分が何をやっていたいかを深く考えること、そしてそのために自分に何が一番必要なのかを見つけること。
弁護士になりたいから若いうちに時間を投資してロースクールに行くのか、ヘルスケア企業を設立したいから関連コンサルでお金を貯めるのか、ピアニストとして活躍したいから海外の音楽院で研鑽を積むのか、ファッションデザイナーになりたいから世界一のファッションショーに踏み込んでいくのか。
また、いつなくなるかもしれない職業に全てを賭けるだけではなく、変わりゆく時代の流れに臨機応変に対応するためにはいまどんなスキルが必要なのか、を考えているのです。
これを見極めるためにまだまだ時間が必要だ、という人たちが、初めに登場した統計で焦ることなく「旅行」「未定」を選び、その間に慎重に行く先を決めているのでしょう。
自分がやりたい事をやるのが正解
生活にお金が必要だから、親に期待されているから、周りの友達が皆就活しているから、という消極的モチベーションではなく、自分が熱量を持ってやりたいと思える分野への積極的モチベーションがあってこそ、世界のリーダーとなる人材は目標達成に向けてスタート地点からがむしゃらに努力できるのです。
日本の皆さんも近年、終身雇用に固執することなく、転職する、起業するという方が増えていると聞きます。その選択肢の1つに、ある専門分野や領域を「学ぶ」「学びなおす」という選択を入れてみてもいいのではないでしょうか。
バイオリニスト、Smilee Entertainment社 CEO
1993年、大分市生まれ。小中高まで地元の公立に通い、2012年ハーバード大学に現役合格、2016年に首席で卒業。ジュリアード音楽院の修士課程に進学。2018年に首席(William Schuman Prize)で卒業後、ニューヨークで起業し、多方面に事業を展開中。ニューヨーク在住。