昼食後の眠気を撃退させるには

昼食後の午後2時ごろになると、「どうもやる気が低下する」「眠気が出てくる」、こんな経験はありませんか? それを「アフタヌーンディップ」と呼びます。

昼食を摂って満腹になることで、脳への血流が減るからといわれますが、むしろ、これは体内リズムの問題です。昼食を摂ろうが摂るまいが、覚醒レベルがちょっと低下しやすい時間帯なのです。

霊長類の猿なども、この時間帯によく昼寝をしますので、私は、「アフタヌーンディップ」は、系統発生による昼寝のなごりではないかと思っています。

メジャーリーガーがガムを噛む理由

とはいえ、昼食を食べすぎると、満腹感から気だるさが出て、意欲が低減しやすいことは確かです。ランチは適度な量にしておいたほうが、午後のパフォーマンスにはいいと思います。

アフタヌーンディップを撃退するには、覚醒系の神経伝達物質が活発になるようにすればいいのです。

たとえば、ものを「嚙む」ことは、脳を活性化させる働きがあります。ランチも、量をたくさん食べるのではなく、よく嚙んで食べることを意識すると、脳にも、消化にもいい。

ガムを嚙むというのも眠気覚ましに効果があります。メジャーリーグの試合を観ていると、選手たちはプレイ中によくガムを嚙んでいます。あれには、意識の覚醒度を高めるのと、よけいな緊張による力みをとる、ダブルの効果があるといわれています。

力んでしまうと肩や腕にへんな力が入ります。口もグッと食いしばるような感じになる。しかしガムを嚙んで顎を動かしていると、その力みが抜ける。ですから、アメリカのスポーツ選手は、ガムを嚙んでいることが多いのです。