※本稿は、粂原圭太郎『偏差値95、京大首席合格者が教える「京大読書術」』(KADOKAWA)の第2章「『短期間で情報収集する力』が身につく 読解法」を再編集したものです。
無理に「はじめから読む」と記憶に定着しない
あなたは読書をするときに、全ての本を頭から最後まで読んでいますか?
その中で、「読みはじめたはいいが、面白くないところや、もうすでに知っているところ、読み進められないところ」はないですか?
もしあれば、読み方をもう一度よく考えてみたほうがいいかもしれません。
全ての本を最初から最後まで読もうと思っているから、記憶に定着せず、多読もできないのです。
本は「本当に読みたい」と思えたところ、必要な箇所を読めばいいわけで、無理して全部読む必要などありません。なぜなら、必要な情報を入れるためであれば、必要ない部分を我慢して読むことはないからです。
「読破した」という達成感が欲しいという人には、無理には言いませんが、何が一番大事かを考えてみてください。本を読破することに意味があるのではなく、自分に必要な知識を血肉にすることが重要なのではないでしょうか?
必要な知識はときによって変わります。
今はこの部分だけが必要だけど、1年後には同じ本でも違った部分が必要になるかもしれません。そのときに、はじめてその部分を読めばいいだけです。何も今、無理して最初から最後まで読む必要などないのです。
その本を「読む目的」を明確にする
まず、本とは何かと考えてみましょう。
小説であれば、物語の楽しさを満喫すること。それであれば、面白くない小説を読む必要はありません。たとえ、古本屋で安いからといって買ったとしても、読みはじめて面白くなければ、読まなければいいのです。買ったからには読まないといけないと思っている人が、苦しみながら読み続けることにどんなメリットがあるのでしょうか。小説の本来の目的は、「物語の楽しさを満喫すること」です。
今度はビジネス書を考えてみます。会社や上司から「読みなさい」と言われることなく本を選んだ場合、その本の中にある情報が欲しいのではないでしょうか。またそのスキルや思考、メソッドを習得したいといった場合、頭から全部読む必要があるでしょうか?
もちろん本は、読者のためを思って第1章から構成されています。しかし必要なのは、「スキルや思考、メソッドの習得」です。この目的が達成できるなら、どんな読み方でも構いません。読むというよりチェックでもいいでしょう。
このように考えると、無理して本を頭から読む必要がないことがわかると思います。本の概念を変え、必要なときに必要な箇所を読めばいいのです。