“事件”は机の上で起きている

“情報”という観点で、机周りの環境について考えてみましょう。

机の上は、絶えず情報のやり取りを行い、新たな商品や価値を生み出すための「生産工場」といえます。それが最終的にお客様のもとに届き、対価が支払われるのです。

キングジム ファイリング研究室『“オフィスのプロ”だけが知っている キングジム 人も組織もうまくまわりだす 超整理術213』(KADOKAWA)

したがって、机は「信頼のおける工場」でなければなりません。お客様は当然、それを期待しています。お客様の立場に立ち、工場長の目線で自分の机をチェックしてみてください。

・ミスが起きそうな環境ではありませんか?
・書類探しに時間をとられて生産性が低下し、コスト高の環境になっていませんか?

個人情報を預けたり、機密を共有したりするのに、信頼できない環境で管理しているとすれば大問題です。

情報漏洩事件の多くは、書類を紛失したり、置き忘れたり、間違えて捨てるといった管理ミスが原因となって起きています。情報を閲覧、加工、発信、廃棄するのは、すべて机の上。「事件は机の上で起きている」のです。

「しっている」と「している」の大きな違い

ここまでで、キングジム ファイリング研究室が培ってきたメソッドやコツをいくつかご紹介しました。

何か特別な秘訣、秘密でもあるのかと読んでみて、「なんだ、そんな当たり前のことか」と思う人もいるかもしれません。実際のところ、整理術に関する説明に対しては、「しっている」「わかっている」といった反応は起こりがちです。

しかし、ただ「しっている」だけでは、身の周りの環境は何も変わりません。つまり実践する人のみが、快適な職場環境を手に入れることができるのです。

知識だけ「しっている人」と、実際に「している人」との間には、大きな差があります。「時間がとれない」とあきらめず、「これも大切な仕事のひとつ」と捉えて取り組んでみましょう。

キングジム ファイリング研究室
業務の“見える化”、オフィス環境の改善、情報セキュリティ対策や内部統制対策の一環としての取り組みなど、業務効率向上に役立つファイリングシステム構築を支援するコンサルティングを行なっている。導入実績は、自治体、製造業、金融機関、通信事業など多岐にわたる。
(写真=iStock.com)
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