エージェントとの正しいつきあい方

【黒田】今、ミドルの求人自体は多いですね。選ばなければすぐ見つかる気がした。

【青野】僕は学生時代アパレルに興味があったので、求人を確認してみたら、ミドルをほしがる企業はほとんど見つかりませんでした。業界によって差があるのかもしれない。

【白井】でもこの年で転職活動するのは大変でしたねえ。子どもの保育園の送迎もあるし、日中は仕事があるから、時間を確保するのが難しかった。朝、会社近くの神社でエージェントと長電話したり、昼休みに歩きながら面接したりして。

【黒田】いいエージェントじゃないですか。私なんて条件出したら、一言「そういう仕事はないですよ」。……そこを紹介するのが仕事じゃないの?

【青野】熱心すぎても嫌ですけどね。採用支援企業が儲けるために「転職させられる」って気がしてくる。

【白井】でもエージェントは、たくさんつきあっているうち、勘所がわかってきますよ。私は複数のエージェントとかかわりながら、それぞれのいいとこ取りをしていました。たとえば、職務履歴書も添削してもらって、それをよそのエージェントに持っていってさらにブラッシュアップしたり。

【青野】信頼できる人に出会えたら、あとは全部エージェントに聞いたほうが確実ってこともありますよね。

【白井】とにかく1人で悩まないほうがいい。面接のアドバイスももらえましたし。

【黒田】面接では、自分も会社の良し悪しを判断するのは大切。1回目の面接で即座に内定が出たときは、ブラック企業のにおいがして断りました。誰でもいいほど人手不足なんじゃないか? と思って。

【白井】理念や文化にすごい共感して、ここしかない! と思った企業があったんですよ。でも面接のときに横柄すぎる広報がいて、「こんな人を野放しにしている企業はろくでもないな」と、内定を断りました。

【青野】面接官の対応で、ますます入りたくなることもありますよ。今の会社は、「まあ、うちもそんな悪い会社じゃないんで」という言い方に、余裕と会社愛があるんだなーと感じた。

【白井】あと、面接で自分の条件をはっきり伝えることも、就職後のミスマッチを防ぐうえで重要。私は「週4定時帰宅」「給料上げたい」「役職ほしい」の3点セットを明快に伝えました。

【青野】自分の棚卸しをして頭に詰め込んでも、あまり面接では役に立たないですよね。「選ばれよう」ではなく「自分を出そう」という瞬発力で対応したほうが、自分のペースに相手を引き込んで進められる気がする。