何のために歴史を学ぶのか

倉山 満『並べて学べば面白すぎる 世界史と日本史』(KADOKAWA)

そもそも歴史とは何のために学ぶのか。賢くなって自分の人生に生かすためです。世界のなかに自らを位置づけない世界史を学んでも、それは他人事にすぎません。

よく「自虐史観」という言葉がいわれますが、自分の国を意味もなく不当に貶める記述はよろしくないでしょう。しかし、さも客観的な事実を記しているだけのように見せて、何も知らない人をミスリードするのも問題ではないかと思います。

だからこそ、『並べて学べば面白すぎる 世界史と日本史』(KADOKAWA)では、外国(おもにヨーロッパ)の歴史と日本とを比較することで、そもそも日本人がどんな民族であるのかを考えるきっかけにしたいと私は思いました。よくも悪くも「ノンキ」な国、というのがその結論ですが、その特徴を理解しておくだけでも、客観的に見える「世界史」という教科が、まったく違ったふうに見えてくるはずです。

倉山 満(くらやま・みつる)
憲政史家
1973年、香川県生まれ。中央大学大学院文学研究科日本史学専攻博士課程単位取得満期退学。在学中より国士舘大学に勤務、日本国憲法などを講じる。シンクタンク所長などをへて、現在に至る。『明治天皇の世界史 六人の皇帝たちの十九世紀』(PHP新書)、『日本史上最高の英雄 大久保利通』(徳間書店)、『国民が知らない 上皇の日本史』(祥伝社新書)、『嘘だらけの日独近現代史』(扶桑社新書)など、著書多数。
(写真=iStock.com)
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