世界史教科書風の年表に、その道の研究者ならば、誰でも知っている事実を足してみましょう。

1492年 海賊にして奴隷商人のクリストファー・コロンブス、キューバに到達。住民を虐殺し、掠奪の限りを尽くす。本人は現地を死ぬまでインドだと信じていたが、アメリカ大陸を「発見」したとの功績で讃えられる。
1493年 ローマ教皇アレクサンドル6世、地図上に線を引き、「東はポルトガル、西はスペイン」と植民地獲得競争の縄張りを決める。もちろん、現地人の許可はとっていない。
1494年 トルデシリャス条約。教皇子午線の確認。地球は丸いので、日本(の明石市)が子午線の境界となる。ポルトガルもスペインも日本を植民地にすることはできず、最後は追い返される。

世界史教科書風の年表が、いかに罪深いか、おわかりでしょうか。客観的に事実を伝えているかのようで、じつは何も真実を何も伝えていないのです。

書かれていないから「嘘」に気づかない

大航海時代の名前だけ聞くとロマンが溢れそうですが、やってこられた側にとっては侵略以外の何物でもありません。実際、フィリピンの名前の由来はフェリペ2世です。征服したスペインが記念に王様の名前を付けたので、国の名前になったのです。当時の日本人、つまり我々のご先祖様が、そんな連中に侵略をさせなかった事実の意味が、この記述では伝わってきません。

近代史における「日本の悪行」を並べている日本史教科書の嘘は、少し賢い受験生なら疑問に思うはずです。学界で通説になると、書かないわけにはいきませんから、嘘だと思っても書いておくのが教科書というものなのです。それでも、最近はインターネットの普及で、気になった用語を自分で気軽に調べることができます。教科書に書かれていることであっても、インターネットの検索結果には「捏造」の2文字がずらりと並びます。

しかし一方、「1492年 コロンブス、アメリカ大陸を発見」と書いてあるだけで、疑問に思う高校生はいないでしょう。大人だって知識がなければ、「あ、そうなの?」で終わりでしょう。日本の歴史と関係があるように思えませんし。

これが罪深い。以上、世界史教科書を学ぶと、自然と自虐的な日本人が出来上がります。