食品ロスの優等生として評価され、取材申し込みが殺到

このイベントが関西ローカルのニュースで報じられた効果もあり、関西では、縁起物として節分に巻きずしを丸かじりする習慣が定着した。さらに、1998年ごろから、セブン‐イレブンなどのコンビニが節分の恵方巻きの販売を全国展開したことで、風習が全国に広まった。

最近では、多くの消費者が2月の節分に「恵方巻き」を買い求めるため、クリスマスケーキとともに、需要を上回る製造が当たり前となって、食品ロスが社会問題化した。

そんな関西発祥の「恵方巻き」の風習が引き起こす食品ロスの問題に対し、地元・兵庫を拠点とするヤマダストアーから「もうやめにしよう」との苦言が発せられたのだ。ヤマダストアーは農水省から、食品ロスの優等生として評価されたことで、メディアからの取材申し込みが殺到。「業務に支障をきたす」として取材を断る代わりに、ホームページにお礼のコメントを掲載した。

ヤマダストアーが掲載した「ヤマダストアーの恵方巻報道について」という文書の一部。同社ウェブサイトより。

それによると、「当社の恵方巻の取り組みについて全国各地の多くの方よりご関心を持っていただき、またお褒めを頂き誠にありがとうございます」としたうえで、今年度の恵方巻きの予約受付についても、「近隣のお客様に販売する店頭販売分で生産量が限界となったため、昨年度より中止させて頂いている」とした。

また、製造量については今年度もおおむね昨年比実績で検討しているといい、店頭販売分がなくなり次第、終了となるという。そして、ヤマダストアーの考えとして、「それぞれの家庭で巻寿司を巻いて家族で楽しむこと」を勧め、「地元の店で具材を買って、家で巻いて家族で楽しむ方が絶対美味しい」と訴えた。