自力でお金を増やせるのが楽しいだけ

――ZOZOの前澤友作社長は「限界までお金を使う」と公言して、「月旅行」を発表するなど消費意欲が旺盛です。一方、cisさんは違うタイプのようですね。

cis『一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学』(KADOKAWA)

【cis】人生を賭けるほどお金を使うと、逆に楽しくないと思うんですよ。だから、ゲームにしてもお酒にしても自分の身が削られるほどにはしたくないです。

唯一、大金を使ってもいいと思うのは、胃腸かな。僕は体が丈夫ではないので、最強の胃腸が手に入るなら150億円ぐらいは払ってもいいかもしれません(笑)。

寒いのが苦手なので、暖かいところに移住したいという気持ちはあります。冬の3カ月ほど石垣島に移ろうかと考えた事もありますが、実行するかどうかはわかりません。

――すると、これ以上稼ぐ必要はない気もします。「引退」の時期を考えることはありますか。

【cis】僕自身は自分の力が通用してお金が増えることが楽しいので。トレードをしているときの時給とか期待値を考えるともったいなくてやめられないんですよ。それにお金を稼いで、税金を支払って、みんなにご馳走して、子どもに資産を残すのは、みんなのためにもなるでしょう。だから稼げる限りは続けたいと思っていますね。

投資とは、能力と経験の戦い

僕は他のことをやっても大していいことはできないと思います。偶然に僕の得意分野と時代がマッチしてお金を稼げただけであって、20年前後していたらこれほどうまくいってなかったでしょうね。

結果がすべての世界です。記憶力や計算力、判断力では負けるときが来ると思います。投資の成否の半分は、そのような頭脳的な能力で決まります。一方、残りの半分は経験で補えます。能力と経験の戦いなのです。優秀な人にはそろそろ負ける頃だと思いますが、市場のパイは大きいですから平均よりも上の能力が出せれば利益が出せます。

だからこそ、たまたま勝つのではなく、優位性を生かして利益を出すことを考えるのが僕の仕事だと思っています。

cis(しす)
個人投資家
1973年3月生まれ。2018年11月現在、資産約230億円。大学4年生の2000年夏に口座を開き300万円で株式投資を始める。01年法政大学卒業後、親族が経営する企業に就職。02年デイトレを開始。一時期資産を104万円まで減らすもスタイルを変えてからは勝ち続け、資産6000万円で04年6月に退職。以後専業トレーダーとして04年内に2億円、05年内に30億円弱の資産を築き、トッププレイヤーの仲間入りを果たす。その取引の影響力の大きさから「一人の力で日経平均を動かせる男」とも言われる。
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(聞き手・構成=向山 勇 写真=AFP/時事通信フォト)