維持費がかかってお荷物の空き実家、どうする?
相続時に「親の家」が火種になるケースが増えている。特に深刻なのは戸建ての場合。子供はすでに家を構えており、引き取り手がなく、押し付け合いになる。長谷川さんは「家じまいするのも一策です。親が元気なうちに売却して現金化するか、賃貸収入を得やすいマンションなどに買い替えておくべき」と勧める。
しかし、親が自宅を手放さず、死後、空き家となることも多い。土地家屋を引き継いだ子供には、固定資産税やメンテナンスコストなどの負担がのしかかる。ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんは「空き家の維持には、物件価格の3~4%のコストがかかると考えてください」と話す。妙案はないものか?
「空き家を貸せば、このコストを賃料で賄えます。国土交通省が支援し、地方公共団体とも連携する移住・住みかえ支援機構(JTI)の『マイホーム借上げ制度』を利用すれば、周辺相場の80~90%の賃料で貸し出せ、そこから15%の手数料を引いた金額が家賃収入として手に入ります。空き室でも最低賃料を保証し、終身で借り上げてくれるなどメリットも多いです」(黒田さん)。親が介護施設に入り、空き家になった場合にも使える。覚えておきたい制度だ。
▼親の家、「マイホーム借上げ制度」で貸せば年間手取りは88万円(※)
(※)全国賃料平均より