また、介護保険を利用して、手すりの取り付けや段差解消などのリフォームもお得にできる可能性もある。

「介護認定を申請すると、認定調査員による面談が行われます。その面談には、家族の誰かが立ち会うことをお勧めします。というのも、高齢の方の中には、本当は困っているのに『大丈夫です』『なんの問題もありません』と強がってしまう方が大勢いますから。家族からも現状を訴えることが大切です」

病院退院後の選択肢は「在宅」「転院」「介護施設」の3つに大別される。

その選択では、こんなトラブルもある。入院していた父親は退院する気満々だけれど、母親が「帰ってきてもらっても困る……」と渋る。そこで息子が考えなしに「母さん、冷たいことを言うなよ」などと押し切る。このパターンは要注意。老老介護により母親まで共倒れしかねないからだ。

「同居の家族が無理だと感じているのであれば尊重し、転院や介護施設を検討しましょう。医師に退院を勧められたからといって、ノープランのまま自宅介護を始めるのは避けたほうが無難」