表は、女子学生に人気の企業に、18年入社した新卒学生の出身大学ランキング(女子大学のみ)だ。日本女子大、昭和女子大、同志社女子大などが、複数の企業でランキング上位に名を連ねる。

「1学年1300人と女子大の中では大規模校の昭和女子大は、1000人規模の女子大の中では、8年連続でトップの就職率です。キャリアデザインの授業はどこの大学にもありますが、描いたキャリアに合う履修科目まで指導するのが昭和女子大の強さです。

また、1980年代からボストンに分校をつくり、年間約300名の学生を留学させるグローバル志向も健在で、米テンプル大日本校を敷地内に誘致し、19年には竣工予定です」(井沢氏)

同じく就職率の高い日本女子大も負けてはいない。

「学生が自己実現を果たすことを目的とした『教養特別講義』を、1966年から続けています。女性リーダーたちが登壇し、様々な経験談を聞くことができます。また、大学主催のガイダンスでは、活躍する大学OGと話せる懇談会を設けています。学生にロールモデルを見せ、モチベーションを高めているのです」(井沢氏)

18年はメガバンクが採用数を絞るなどの波乱もあった。

「学生は金融・一般職に固執せず、保護者もそれを押し付けないこと。総合職やBtoB企業も視野に入れれば、活躍の機会が増えますよ」(杉村氏)

井沢 秀
大学通信 情報調査部部長
1964年生まれ。入試から就職まで、大学全般の情報分析を担当。新聞社系週刊誌や経済誌などの執筆多数。
 

杉村希世子
就職みらい研究所 主任研究員
1994年リクルート入社後、「とらばーゆ」「就職ジャーナル」の編集などに携わる。2015年10月より現職。