しかし、3日に一度の席替えを繰り返すことで、子どもたちは30人のクラスメイトみんなと自然な形で友達になることができるのです。焦って友達をつくり、小さな集団にまとまってほしくはありません。

この3日に一度の席替えで、クラスが自分の「場」になった、という子が大勢いるのはありがたいことです。中には「家より学校が落ち着く」という子まで。学校でありのままの自分を出すことができるのは、この席替えの効果だと感じています。

3日に一度の席替えをする学校は、女子校でも多くはありません。でも、挨拶を周囲の人と積極的に交わすことは、どこの学校でもできることです。娘さんにも気持ちのこもった自然な挨拶をしてみたら、とアドバイスをしてあげてください。

最初のうちは「おはよう」と言っても、なかなか返事が返ってこないかもしれません。でも、「おはよう」と言い合える仲間を1人ずつでも増やしていくことで、その習慣がだんだんと周りにも広がって定着していくものです。「おはよう」を出発点に、お互いのことを少しでもわかり合えるように、少しずつ対話の輪を拡げていきましょう。

吉野明(よしの・あきら)
私立鴎友学園女子中学高等学校名誉校長
東京三鷹生まれ。一橋大学社会学部を卒業し、鴎友学園の社会科の教師となる。以来、44年間、女子教育に邁進。鴎友学園における高校3年生時点での文系・理系選択者はほぼ半々という、女子校の中では極めて高い理系選択率を実現。女子の発達段階に合わせて考えられたプログラムなどにより、女子生徒の「自己肯定感」を高め、“女子が伸びる”学校として評価されている。
(写真=iStock.com)
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