半数が1日10時間以上働き、平均年収は約1222万円

【医師に直撃質問その5】
労働時間、休日日数、給与に不満はないか?

医師の労働時間はどれくらいか。1日平均「10時間以上」が50%近くもいた。いわゆる「過労死ライン」を超える「12時間以上」も約17%だ。

脳神経外科、外科、整形外科が1日の「12時間労働率」が高い診療科ワースト3だ。夜勤を含む時間とはいえ、かなりの長時間勤務で疲れもあるはずだ。

「仕事とプライベートの時間の折り合いがつかず困ったことは?」と聞くと、こんな実例が挙がった。

「ライブのチケットを買っていたが、緊急オペで行けなかった」(34歳、男性、産婦人科)
「子供と遊ぶ時間が取れないこと」(36歳、男性、内科)
「プライベートな時間が取れても疲労で憔悴している」(35歳、男性、外科)
「親族の葬儀に出席できなかった」(35歳、女性、内科)
「家族には文句ばかり言われます」(37歳、男性、リハビリ科)
「研修医時代は、いつも電話が離せず、美容院や歯医者すら行けなかった」(37歳、女性、内科)
「誕生日に当直、年末に当直結婚記念日に当直」(35歳、男性、整形外科)
「残業の概念がないのが問題。プライベートのときも学会準備や勉強をする必要がある」(31歳、男性、皮膚科)

全体の3分の2の医師が現在の労働時間に「満足(「まあまあ満足」を含む)」と回答している。心身ともにタフで、献身的なタイプでないと務まらない職業と言えるだろう。

平均年収は約1222万円。調査は平均年齢34.9歳(勤務医)。診療科別の年収の満足度では、精神科、眼科、病理科がベスト3だった。「当直勤務も残業も少なく、生活の質を保ち、プライベートの時間も確保しやすい」(中村氏)。一方、前出の労働時間が長い診療科は満足度が低かった。