※本稿は、『プレジデントFamily 医学部進学大百科2019完全保存版』の記事の一部を再編集したものです。
大学病院の知名度が高い医師から偉そうな態度をされる
雑誌「プレジデントFamily」編集部は2018年9月、40歳以下の現役医師600人(※男性485人、女性115人、開業医を除く)を対象にアンケート調査を実施した。
【医師に直撃質問その1】
出身大学による“格差”を感じることはあるか?
その結果、出身大学の医学部について「満足しているか」とたずねたところ、卒業した大学に「満足している」「やや満足」と答えた医師は89.9%と高水準だった。
医学部受験は昔も今も狭き門。大学を選ぶ余裕はなく、アンケートのフリーアンサーでは「受かるところを受ける」という意見が多かった。せっかく合格をいただいた大学に自らケチをつける医師は少ないということだろう。
長年、医師専任キャリアコンサルタントを務めている中村正志氏は「大学の医局の力が強かった世代とは異なり、40歳以下は、初期研修先を選べて、出身大学の医局で研修しなくてもいい世代。しがらみがない分、母校の悪いイメージが少ない」。
母校愛あふれる若手医師だが、出身が「国公立大か私大か」「旧帝大か新設医大か」といった区分によってヒエラルキー(差別)を感じたことがあるかと尋ねると4割近くが「感じる」と答えた。
「学会などで他大出身の医師と交流する際、大学病院の知名度が高い医師から偉そうな態度を取られることもあり、ストレスがあると聞きます」(中村氏)
だから、「入学時の偏差値より、社会的知名度や認知度の高い大学がおすすめ」「関連病院が多い大学が得」といった声もあった。