岸見の答え:近所のボスキャラをないがしろにしない

屈折した承認欲求の強い人の対処法

私の生まれ育った京都では、たとえば朝、近所の人に会って「今日はどちらへ?」と聞かれても、正直に「仕事で大阪まで」などと答える必要はありません。「ちょっと」とだけいって、それでおしまい。適度な距離感を保って、お互いに深く介入しないで済むよう工夫している京都人の知恵なのです。こうして、ご近所付き合いはこの程度まで、と自分で決めておくとお互いラクになる。それ以上に立ち入ってくる人は、シャットアウトしてしまいます。

京都人の絶妙な距離感に学ぼう。(PIXTA=写真)

ご近所のルールの中には、ゴミの出し方ひとつとっても、過剰なほど厳格に定められていることもある。しかもボス的な存在感を醸し出しているオバサマ(オジサマ)が、ゴミの出し方を見張っていたりするから恐ろしい。ボスキャラをないがしろにすると、いわれのない風評を立てられたり、妬みを買ったりして面倒なことになります。そんな人には、「おかげで、ゴミが散らからないで済んで助かっています」などといってみる。重箱の隅をつつくようなルールに拘泥して威張っている人は、屈折した承認欲求の強い人が多い。感謝の意を伝えておきましょう。

「ご近所とはビジネスライクに関わるのがいい」
佐々木常夫
佐々木マネージメント・リサーチ代表
1944年生まれ。69年、東京大学経済学部卒業後、東レに入社。2001年に同期トップで取締役に。03年、東レ経営研究所社長に就任。10年より現職。
 

岸見一郎
哲学者
1956年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋哲学史専攻)。京都聖カタリナ高校看護専攻科非常勤講師。共著書『嫌われる勇気』は155万部のベストセラーに。
 
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(構成=小島和子 撮影=大沢尚芳、森本真哉 写真=PIXTA、iStock.com)