「KDDI・楽天連合」は、融合の時代に一歩先んじた

ネット通販で9870万人の会員を持ち、「楽天スーパーポイント」を浸透させている楽天は、KDDIの弱点を補う存在になりうる。

海外に目を移せば、米携帯2位のAT&Tがタイムワーナーを買収するなど通信とメディアの融合が進んでいる。通信とネットがすみ分けてきた時代は終わり、プラットフォーマー(総合的なサービス提供者)として生き残るのは誰か、というフェーズに突入した。そう考えれば3キャリアは米国で猛威を振るうアマゾン・ドット・コムやグーグルとも戦わなくてはならない。

その意味で「KDDI・楽天連合」は、融合の時代に一歩先んじたと言えるかもしれない。だがそれは国内限定の話であり、グローバルにどう戦うかは、また別の話である。

大西 康之(おおにし・やすゆき)
ジャーナリスト
1965年生まれ。88年早稲田大学法学部卒業、日本経済新聞社入社。産業部記者、欧州総局(ロンドン駐在)編集委員、「日経ビジネス」編集委員などを経て、2016年に独立。著書に『ロケット・ササキ ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正』(新潮社)などがある。
(写真=時事通信フォト)
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