世帯年収は高くても、エコノミーがいい理由

3番目のコースは、中学まで公立で、高校に入るときに公立トップ校を狙う「プレミアムエコノミークラス」。ポイントは、高校進学時に「私立校でも可」の資金的余裕を持つことです。ここで「公立以外は絶対にダメ」と決めつけると、安全のためランクを1つ落として受けることになりかねません。しかし、滑り止めの私立校に入ってもいいと考えれば、トップ校を受験することができます。

もっとも、公立高校から国公立大学を狙う場合、現役合格はなかなか難しいのが現実。1浪することを想定しておき、教育費の計画を立てましょう。

最後に、できるだけ長くお金を温存していく「エコノミークラス」。高校までは公立を選び、大学で一気にお金をかけるコースです。世帯年収1400万円の家庭なら、大学入学までの間に十分、教育費を貯めることができます。大学や大学院在学中に海外留学をさせる場合、学費+生活費で年間350万円あれば、いろいろな国への留学が選択可能です。大学までお金を温存しておけば、ここで好きな留学先に行かせることができます。

家計に占める教育費の割合はどのくらいまでが許容範囲でしょうか。子供が小学生までなら世帯年収の10%まで(世帯年収1500万円なら150万円)、子供が中学生なら世帯年収の15%まで(同225万円)、子供が高校生なら17~18%(同255万~270万円)。高校生ではキリよく20%としたいところですが、他の支出との兼ね合いを考えると、20%は多すぎます。子供が大学生になると、かかる額が大きくなるので、40%を超える家庭も少なくありません。

となると、世帯年収は高くても、エコノミーを選んで余力を残しておくのも賢明なやり方ではないでしょうか。

畠中雅子(はたなか・まさこ)
1992年にファイナンシャル・プランナー資格を取得。『Como特別編集 子育て中でも貯金ゼロでも1000万円貯める10のルール』など著書多数。