家計が苦しい。そんなときどうすればいいのか。「プレジデント」(2017年4月3日号)では、6つのテーマごとに家計改善のポイントを聞いた。第3回は「介護のプロ」に聞く、「施設の選び方」について――。(第3回、全6回)

考えるべきは「いくらかけられるか」

「冷たく感じるでしょうが、親の介護費用を子が負担するとなると相当な余力がないと共倒れします。年収300万~400万円クラスの人に限らず、基本的には親が保有している財産の範囲内でカバーするべきです」

こう話すのは介護の現場経験もあるファイナンシャルプランナーの長崎寛人氏だ。所得の多い世帯は多いなりに、少ない世帯は少ないなりの家計で生活は回っており、親の介護費用を捻出するのは容易ではない。

親の資金を介護資金に充てるには、まずは親の懐事情の確認が必要だ。「生活にムダがあれば指摘をし、遊んでいる資産は上手に運用させたり売却するなど、マネー管理に注意が必要です」(長崎氏)。

渡辺さん一家 世帯年収340万円
夫:55歳 契約社員 年収340万 妻:53歳 専業主婦 貯金●1300万円


業績悪化のため定年間近で早期退職を決断。知り合いに頼み、何とか契約社員として再就職。妻に働いてもらいたいが、夫の母親の介護で働けない。老親を預けたいが、老後を考えると貯金額は十分ではなく、自分たちで介護するほうが節約になると考えている状況。
マイエフピー=会計簿協力