家計が苦しい。そんなときどうすればいいのか。「プレジデント」(2017年4月3日号)では、6つのテーマごとに家計改善のポイントを聞いた。第5回は「保険のプロ」に聞く、「保険ショップの使い方」について――。(第5回、全6回)

なぜ保険ショップの相談は「無料」なのか

「ほけんの窓口」「ほけん百科」などの来店型保険ショップ。駅周辺などでよく見かけるようになりました。相談無料であることや複数の保険会社の商品を選べること、また気軽に入れる雰囲気などが人気のようです。

ただ、保険ショップで勧められるままに保険を購入するのは慎重にしてください。さまざまな会社の保険商品を扱っているため、自分に合った商品を選んでくれる――そう思っている人もいるようです。しかし、保険ショップには提案した商品の説明をする義務はありますが、すべての商品を比較して、本当に必要な保険を勧めなくてはいけないという義務はないのです。

保険ショップの店員は、必ずしも家計運営のプロではなく、あくまで“保険商品を売るプロ”。収入は保険会社からの紹介手数料で成り立っています。だからこそ将来不安の解決策として、保険を勧めるわけです。さらに商品も金額が大きく、保険期間が長いものを勧めることが多い。なぜなら、保険ショップに手数料が入り続ける、儲かる商品だから。子どもの学費積み立ての目的で勧められる、低解約返戻金型終身保険などが代表例です。

清水さん一家 世帯年収700万円
夫:37歳 団体職員 年収700万 妻:38歳 専業主婦 子:6カ月 貯金●180万円


結婚して6年。当初は妻も仕事(看護師)をしていたが、2年前に退職。そこから不妊治療を開始し、念願の第一子を授かった。本当はもう1人欲しい。子どもが独立するころには夫は60歳目前。退職金もないため、何とか貯蓄しようと焦って勧められるがまま保険に加入。
マイエフピー=家計簿協力