次は中学から私立に入る「ビジネスクラス」。年収1400万円の共稼ぎ家計では、この選択が現実的です。首都圏などの都市部で難関中学を狙うなら小2から、中堅校なら小4から塾通いをスタートさせるのが一般的です。塾の授業料は、小2~3は年間50万円、小4~5は60万~80万円、小6になると、120万~150万円かかります。

写真=iStock.com/FatCamera

私立中学では、年間100万~120万円の学費がかかります。ただ、高校に上がると少し親の負担が軽くなる傾向があります。最近は高校の授業料の助成も充実しているからです。年収910万円未満(目安)の世帯なら国の就学支援金の基本額、年間11万8800円が受けられます。また、収入に応じて就学支援金の加算分が付きますし、さらに東京都なら年収760万円までの世帯は授業料軽減助成金などが受けられます(収入に応じ支援の種類や助成額は異なる)。といっても、年収1400万円世帯は、支援金や助成金の対象にはならないため、高校の教育費の負担は軽くなりません。

子供が2人いる場合、上の子を私立中学に行かせたら、だいたい下の子も同様に受験させることになるものです。「2人とも私立」を前提に、教育費の準備をしたほうがよさそうです。

ビジネスクラスの場合、中・高で学費がかかり、その期間に大学への資金が貯められなくなることがいちばんのリスク。学資保険の解約率が高いのも中学から私立に通っている世帯。大学進学費用が貯められていないと、奨学金を使うことになります。しかし、ここでも年収1400万円が問題になります。日本学生支援機構の奨学金の場合、学力基準とともに家計基準もクリアしないと受けられません。第二種奨学金の収入基準は、世帯人数4人の給与所得者で、上限額が1100万円です。

年利1.81%(2017年2月27日現在)で350万円以内の教育費が借りられる国の教育ローンも、子供2人の世帯では890万円が収入の上限。日本学生支援機構の奨学金や国の教育ローンが借りられないと、年利2~4%台となる銀行の教育ローンなど、金利が高いお金を借りなくてはならなくなります。