秋篠宮家=善、小室母子=悪という単純化した報道

「女性自身」(10/30号)は「秋篠宮ご一家に近い知人」のコメントとしてこう書いている。

「秋篠宮さまは、あくまでも眞子さまの圭さんと結婚したいというご意思を尊重されていました。ですからご婚約延期後も、眞子さまと圭さんの愛を認め続けていらしたのです。眞子さまにとっては“唯一の味方”ともいうべき存在でした。秋篠宮さまは小室家に対して『(結婚について)国民の理解を得るために記者会見を開いてはどうでしょうか』『借金トラブルを解消するために、相手と話し合ってはどうでしょうか』など、アドバイスをしたりと、温情をお見せになっていたのです。しかし小室さん親子は、そうしたアドバイスに耳を貸そうともせず、勝手にアメリカ留学を決めてしまいました。そのうえ、小室佳代さんは秋篠宮家に連絡もなく、自宅から姿を消してしまったのです」

こうした秋篠宮家=善、小室母子=悪という単純化した報道をうのみにして、軽率な行動に出た者までいたようだ。

「セブン」(10/18号)は、9月中旬に小室家が住んでいるマンションに、女性が“汚物”を投げ込んだ“事件”が起きていたと報じている。

一方的ないい分を、何の検証もせずに週刊誌は報じ続けた

小室母子に反感を持っている人間の犯行かもしれないとにおわせているが、待ってほしい。小室母子がどんなに悪いことをしたというのか。いわれているのはただ一つだけである。母親の佳代さんが、昔、結婚しようと思って付き合っていた男性から、生活費や圭さんの入学や留学費用、合わせて約400万円を借りたが、その後返さないというものである。

だがこれも、彼女と結婚しようと思っていた男性が、別れてだいぶたってから、匿名で顔も出さずに語った一方的な話だけである。昨年、圭さんと眞子さんが婚約を発表した後に、「週刊女性」に語ったのだが、そこに、別れた女性への愛憎がからんでいなかったのか。

私の少ない経験からでも、一度愛した後、別れた男女には、複雑な感情が残るものである。他人以上に遠い存在にもなる。

佳代さん側は、当時、弁護士を通じて「贈与されたものだ」と主張している。それが、息子が皇族の女性と結婚しようというときに、蒸し返されたのである。

件の男性は、当時の彼女とのやりとりのメールまで週刊誌にさらして、彼女の非をいい募った。あまりにも一方的ないい分を、何の検証もせずに週刊誌は報じ続けたことで、美智子皇后や秋篠宮夫妻は、動かざるを得なくなったのであろう。