いよいよ、“聖地”で訪日外国人と接触
「味処 古川」は、地元の食事やみやげ物を提供する店。『君の名は。』の劇中に登場するため、聖地巡礼の人気スポットとなっている。店長の森要さんによると、2016年から同映画ファンのアジア系外国人が急増しているという。
「韓国人は男性の一人旅が多いですね。中国人は家族連れが多い。料理に関しては、中国人は朴葉味噌とラーメンが好きでよく頼みます。台湾の方はフルーツが好きで、りんごなどを買ってその場ですぐ食べてます。アジアの人たちは実用的。お土産より、旅行中に食べるためのお菓子を買いますね」
必要のない物でも旅の記念にとうっかり買ってしまうのは日本人だけ? そんな堅実なアジアの人にお土産を買ってもらう秘策は、「試食」だそう。
「店外のベンチに無料のお茶とお菓子の試食をおいています。アジアの人は試食大好きでよく食べます。ただ、たくさん試食したから買ってくれるというわけではありません。あくまで美味しかったら買う、という感じです」
森さんは接客だけではなく、ボランティアで観光ガイドも行っている。アジア人とのコミュニケーションはどうやって取っているのだろうか。
「私は英語は全く喋れませんが、困ったことはありません。英語版のメニューを見せつつ、英単語で説明しています。ゆっくりわかりやすく、単語を一言ずつ区切って間をおいて話すことを心がけてます。その程度でもなんとなく通じるので、全く問題ありません」
さて、外国人観光客と接する機会の多い場所の代表格と言えば宿泊施設。飛騨にある老舗旅館「八ツ三館」若女将の池田理佳子さんによると、15年から外国人向けの宿泊ポータルサイトに宿情報を掲載したところ、爆発的に外国人の利用者が増えたという。地域別ではやはり香港、中国、台湾といったアジア系が群を抜いて多いとか。