もうひとつ、糖質制限をかじった人が興味を持つダイエット法として、低GIダイエットと呼ばれるものもあります。GI(Glycemic Index)とは、食後血糖値の上昇度を示す指標。低GI食品は、血糖値の上がるスピードが遅いので、ダイエットに適している、という考えに基づく方法です。大雑把に例を挙げれば、野菜や果物は低GI、チョコレートや白米は高GIです。

ダイエットのために「野菜を先に、ご飯を最後に食べる」という食事法をしている人がいますが、これも低GIダイエットと同様の理屈です。しかし、これは、野菜に糖が含まれている以上、糖への誘惑を断てないため、かえって挫折しやすい方法です。「食べる順番を変えて吸収を抑える」などといった小手先のワザではなく、「そもそも糖を摂らない」。これが、「糖質依存→我慢によるストレス→ドカ食い→リバウンド」の失敗ループを断つ、最善の道です。

ヘルシーに見える野菜も糖質たっぷり

西脇俊二『ハードワークでも疲れないカラダを作る! 糖質制限2.0』(KADOKAWA)

やせたくてランチをサラダだけにし、空腹感を我慢している方。食べるときは野菜から食べるよう心がけている方。嫌な予感がしてきたでしょうか。野菜は「健康食」の象徴のような食べ物ですね。小さいころから「お肉ばかりでなく野菜も食べなさい」と、誰もがいわれて育ってきたことと思います。

たしかに野菜は、繊維質もビタミンも豊富な優れた食材であることは否定しません。しかし、前述のとおり、野菜にもたくさんの糖質が含まれています。とくに根菜類は糖質の高い食品です。にんじん、ごぼう、れんこんなどは、糖質制限のNG食材です。玉ねぎや長ネギ、カボチャやトマト、キュウリやナスも避けましょう。

葉野菜の茎にも“糖質”

これだけでも、「野菜も食べないといけません」といわれ続けてきた一般的な日本人の食卓には、大ダメージがありそうですね。しかし、まだまだこんなものではありません。葉野菜も注意が必要です。茎の部分に糖質が含まれているからです。

キャベツ、白菜、小松菜やほうれん草、パセリやパクチー、あらゆる葉野菜は、調理時に茎を取り除くこと。本気を出すなら、ブロッコリーも茎を取って、つぼみの部分だけを調理しましょう。これで、食卓にのる野菜がごく少量になりましたが、それでいいのです。野菜は「色どり」と割り切りましょう。