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“遊び”の経験がものをいう

外遊びは、子どもの「頭をよくする」という点で2つのいいところがあります。

Getty Images=写真

ひとつは、「目に見えないもの」を思い浮かべる力がつくこと。算数や数学の図形問題を解くときには、目に見えない「補助線を引く力」を求められることがあります。しかし、私は大学受験のための数学を指導しながらいつも思っていました。「補助線を引けば問題を解けることはわかる。でも、定評のある参考書も有名予備校の講師も、どうすれば目に見えない補助線が頭に思い浮かぶのかについては教えていないのではないか」と。

なぜ補助線が思い浮かばないのかについて突き詰めて考えると、ある仮説に行き当たりました。それは「その力を培うには“遊び”の経験がものをいうのではないか」ということです。

石を標的めがけて投げるにしても「こういう軌道をとるだろう」と投げる瞬間に思い浮かべます。バスケットボールやサッカーをしていれば、ボールを持っている選手が次にどこへパスを出すかというところから、数手先までボールの流れをイメージします。かくれんぼをしていても、「彼はいつも土手に隠れるけど、今日は裏をかいて小屋の中にいるのではないか?」と、見えない相手の動きを予測します。

集中力がある人は、何が違うか

重要なポイントは、それを心の底から楽しむこと。脳科学者の茂木健一郎先生もおっしゃっていますが、ある作業を生き生きと繰り返し行うと脳は伸びます。つまり、生き生きと目に見えないものを想像する経験が、補助線を思い浮かべる力を伸ばすことにもつながるわけです。

この力は算数に限らず、物事の「本質」や「要点」をとらえたり、相手のいいたいことを過不足なく把握したり、アイデアを考えたりする場面でも活きてきます。“ない”ものを頭の中にくっきり“ある”ものとして描ける人は社会に出てからも活躍できるのです。