最近は外人部隊に入ることを考える日本人も増えていると聞きます。そういう人たちがどこまで外人部隊を理解しているのかといえば、十分ではない場合が多いのではないかと思います。認識があまい状態で外人部隊への入隊を志願するのは決して勧められることではありません。まずはよく知ってもらいたい。

外人部隊に入ろうといった考えがない人に対しても、外人部隊がどんなところなのかを誤解しないでほしい気持ちもあります。

『フランス外人部隊 その実体と兵士たちの横顔』(野田 力著・KADOKAWA刊)

私のように戦地に派遣される場合もたしかにあります。しかし契約期間中、一度も戦地に派遣されないでいる部隊兵も少なくありません。戦地に派遣される場合にしても、在籍しているあいだのごく限られた期間だけです。それ以外の時間はどのように過ごしているのかといえば“鍛錬と我慢の毎日”です。大抵の人のイメージとは程遠いと思います。多くの時間は、掃除などをはじめとした雑用をしているのが現実なのです。

外人部隊とは何か?

それを正しく理解してもらうためにも、戦地にいるよりはるかに長い日常の時間についても知ってもらいたいと思います。

身近なところに戦争はあります。しかし戦争がすべてではないのが外人部隊です。

5年で除隊する予定がアフガンへ

自分の所属する中隊にアフガニスタンへの派遣予定があると知るまでは、最初に考えていた「5年で除隊する」という気持ちは揺るがず、早く日本に帰りたいと思っていました。

それにもかかわらず、どうして契約を延長してまでアフガニスタンに行くことを選んだのか?

自分でもうまく説明はできませんが、理由はいくつかあったように思います。

ひとつは自分の経験のためです。今の日本で普通に生きていれば、戦場を経験する可能性はかなり低いといえます。5年間、外人部隊にいたのだからその経験をしてみたいという気持ちがあったのです。

ひと言で括れば「好奇心」ということになるのかもしれません。興味本位ではないにしても、自分のためです。

多くの人は、戦争はなくなったほうがいいと考えているのでしょうから、戦場を経験したいという気持ちなどは理解できないのだと思います。そういう意見は十分理解できます。私にしても、戦争という行為を積極的に肯定しているわけではありません。戦争がなくなり、平和な世の中になるならそうなってほしいのはもちろんです。しかし、戦争がなくならない限り、誰かがそこに行きます。そうであるなら、訓練を受けた自分が行くという選択肢はあるのではないかと考えたのです。

もうひとつは、自衛隊に入れず、日本で居場所をなくしかけていた自分を拾ってくれたフランスという国、外人部隊という組織への感謝の気持ちがあったからです。その恩返しとして、自分にできることをしたい気持ちも強かったのです。フランスに対しては第2の故郷という意識も芽生えており、愛国心に近い感情をもつようになっています。

「人生、一度しかないのだから」という思いもありました。