「基礎票」では佐喜真氏の方が上回る

世論調査の歪み以外にも読みにくい要素が多い。

2014年の前回知事選で翁長氏は現職だった仲井真弘多氏に約十万票差をつけて勝った。しかしこの時は、県内で8万票の基礎票を持つと言われる公明党が自主投票で、実質的には多くが翁長氏に流れたと言われていた。今回、公明党は佐喜真氏を正式に推薦し選挙戦の前面に立っている。

また4年前は、衆院議員だった下地幹郎氏も出馬して約7万票獲得している。下地氏は今回、出馬せずに佐喜真氏を推す。差し引きすれば、「基礎票」では佐喜真氏のほうが上回るようでもある。

もう1つ読み切れないのが「翁長個人票」の行方だ。もともと保守政治家だった翁長氏の名は保守層にもリベラル層以外にも浸透していた。そして辺野古移設を推し進める政府に対し命を削って対峙した姿は、県民から幅広い支持を受けた。オール沖縄側が「弔い選挙」の構図に持ち込めば、有利な戦いにできる。

翁長票が、そのまま玉城氏に流れるとはいえない

ただ今回、オール沖縄側から出馬する玉城氏は、「弔い選挙」の後継者として適任とはいえないようだ。ラジオ・パーソナリティーを長く務め、衆院議員を長く経験する玉城氏は知名度も経験も申し分ない。しかし、翁長氏と近いという印象はあまりない。だから翁長票が、そのまま玉城氏に流れるとはいえないのだ。

「オール沖縄」側からは「翁長氏の肉親とか、もしくは翁長氏を支えた謝花喜一郎副知事らが出馬すれば、同情票も含めて圧倒的な票を集めることができた」という声も聞こえる。

世論調査の歪み、そして漂流する翁長票。2つの変数を抱えながら両陣営のせめぎ合いは9月30日の投票日まで続く。

(写真=時事通信フォト)
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