ネット上でアピールするなら専門的なコンテンツを

イメージとは違うだろうが、インターネット上に強い存在感を持つことは引きこもりの力になる。実際、シャイな人ほどデジタル・プレゼンス〈インターネット上の人格・存在感〉やパーソナルブランド〈インターネット上の個人アピール〉は重要で、ネット上に実績があればライバルに差をつけ、人脈を作ることもできる。たとえアイフォンからでも。

モラ・アーロンズ=ミリ『内向型のままでも成功できる仕事術』(宮垣明子訳、辰巳出版)

引きこもりにとって、デジタル・プレゼンスを強めるのによい方法(鋭い意見を載せたり、素晴らしいコンテンツを作ったりすることは当然として)は、専門的な意見を増やすことと、専門分野の中で特にニッチ〈狭い範囲〉な部分に特化することだ。焦点を当てているのはごく小さな歯車でも、そのおかげで専門性がはっきりとわかる。また、周りと自分を比較することよりも、もっと大きな相手と争えるような事業開発の手がかり集めに時間を使うことだ。これは自営業でも、企業で働いている場合でも有効な方法である。

2分ごとにツイートしろとか、次々にインスタをあげろということではない。目的もなくダラダラと続くツイッターアカウントなど、大した意味もない。誰も読まない企業ブログだって同じ(わたしもやってたことがある)。でも、戦略的に作られたデジタル・プレゼンスは、事業開発のツールとしての可能性を秘めている。

つまり、つつくところが狭ければ狭いほどいいということだ。ジョージタウン大学でコンピューターサイエンス学の教授を務めるカル・ニューポートはデジタル時代における生産性や価値、意義のある仕事について研究しているが、市場は「希少性の高い、価値のあるものに反響する。ソーシャルメディアの利用は明らかにそれとは違う。」と言う。引きこもりに価値が高まるのは、よそにはないネット上の実績やコンテンツのおかげであって、人気とは関係ない。ニッチな部分をずらりと並べれば、ブログの記事やSEO〈検索エンジン最適化〉の海の中で突出することができるのだ。

「誰」に「何」を発信するのかを明確に

情熱を分け合える仲間と出会うネットコミュニティ文化の中で、わたしも専門的に成長するニッチというものの力を学んだ。