シニアマンションへの住み替えで老後はセーフ

食費の節約にチャレンジしてもらいつつ、同時に「もう少し年を取ったら、住み替えを考えてみませんか?」と提案してみました。

写真はイメージです(写真=iStock.com/AH86)

「えっ? 住み替えですか? 母がいるような介護施設しか、思い浮かばないんですが」と、かなり意外そうな反応を見せました。

住み替え先の候補は、次の2つ。

ひとつ目は、60歳以上の方が共同暮らしをするケアハウス。本人(相談者)の所得状況であれば、ひと月7万円前後(食費含む)で暮らせるケアハウスを探せます。食事は3食提供されますので、苦手な食事作りから解放されます。

また、介護型ケアハウス(特定施設入居者生活介護の認定を受けているケアハウス)が併設されているケアハウスを見つけられれば、要介護度5になっても、継続して住み続けられる点も安心です。

ケアハウスには、要介護認定を受けてからでは原則として入居できないことや、お子さんがいないことを考えますと、60代半ばくらいで住み替えを提案してみました。

▼自宅で暮らし続けるよりも年間の赤字額が少なくなる

ふたつ目は、所有権タイプのシニアマンションを購入する方法。中銀ライフケアのようなシニアマンションを運営している会社の物件から、特に1000万円以下の負担で手に入れられる物件を購入する方法です。

実際中銀ライフケアには、1000万円以下で購入できる物件(シニアマンション)がいくつもあり、月々のランニングコストも12万~14万円くらいですみます。ケアハウスに比べると、負担は増えますが、居室の広さや共用スペースの充実度は格段にアップします。食事は3食提供されるうえ、外出も自由にできますし、サークル活動などが活発に行われている物件もたくさんあります。

1000万円以下で所有権の物件を手に入れられれば、貯蓄での購入が可能。住み替え後には現在住んでいるマンションを売却し、手元の貯蓄を増やすこともできます。65歳くらいで住み替えを実施したと仮定して試算してみたところ、100歳くらいまでは貯蓄が残る計算になりました。

自宅でずっと暮らし続けるよりも年間の赤字額が少なくなるため、貯蓄が底を突く心配が低くなったわけです。