これからビジネスマンはどう変わるべきか。「プレジデント」(2018年4月30日号)では、特集「いる社員、いらない社員」で、大企業のトップ29人に「人材論」を聞いた。今回は、西武HDの後藤高志社長のインタビューをお届けしよう――。

侠気(おとこぎ)をもっている人に来てほしい

2004年、西武鉄道の有価証券報告書への虚偽記載による上場廃止、13年には米投資ファンドのサーベラスから敵対的TOB(株式公開買い付け)を仕掛けられるなど、西武ホールディングス(HD)は13年以上、混乱のなかにあった。経営トップとして修羅場を乗り越えた後藤高志氏が考える「必要とされる人材」とは。

──どのような人材を求めますか。

まず、明るく爽やかであること。われわれは、とくに鉄道、ホテルなど、お客様と接するサービス業ですから、人に好感を持っていただかなければなりません。絶対に大事なのは、きちんと相手の目を見て話すということです。

西武HD 社長 後藤高志氏

次に、執念を持って取り組むこと。物事に取り組むときは徹底的にやり抜く。そのための勉強もするし、戦略も立てる。途中で挫折しそうになっても強い気持ちで最後までやり遂げる。これはビジネスマンだけでなく誰にとっても大切なことでしょう。

3番目は颯爽としていること。外見は颯爽として、内面には凛としたものを持っている。身だしなみも大事ですね。内面が反映されます。

最後に挙げたいのは侠気(おとこぎ)です。何か面倒なこと、難しいことを頼まれたとき、四の五のいって、できない理由を山ほど述べ立てて逃げまくるのではなく、快く引き受けるという侠気ですね。侠気って別に男性の専売特許ではないし、最近は女性のほうが侠気を持っている人が多いのではないでしょうか。

──それらはどうすれば培うことができるものですか。

理想をいえば学生のときに育んでおくべきですね。勉強からもサークル活動からも学べることでしょう。

私は体育会のラグビー部に所属していました。スポーツを経験した人は誰しも思い当たるところがあるでしょう。苦しい練習を乗り越えて試合に勝つ。やっぱり執念がなければ達成できないことですね。受験勉強だって、執念がなければ志望する学校へは進めないのですから。学生のときからそうしたトレーニングを誰もがしているでしょう。社会に出て、さらに磨きをかけるということだと思います。