あの会見の全文は小室が一人で書き上げたという。自分勝手な嘘で塗り固めた文章は、彼がこれまで書いてきた何百という歌詞と同じように、頭の中でつくりあげた想像の産物だったようだ。

「ご心配いただき、ありがとうございます。私は元気です」

だが、自分がついた嘘について、ファンやあの時「文春潰せ」と応援してくれた人間たちに釈明する責任があるはずだ。

小室もグラビアページに登場している。ラフな格好にサングラスと野球帽といういでたちで、近所の弁当屋のメニューをじっと見ている図である。還暦間近の男のしょぼくれた姿が見事に映し出されている。

KEIKOのほうは、文春のファンへのメッセージをという求めに対して、「ご心配いただき、ありがとうございます。私は元気です」と答えている。

小室がテレビカメラの前で平気で嘘をついたのは、いま日本中を覆っている「嘘つきは安倍晋三の始まり」という空気を読んで、どうせ75日たてば忘れるさ、そう考えたからではないのか。

ファンも視聴者も世間もバカにされたものである。(文中敬称略)

(写真=時事通信フォト)
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