一つはETFを買う方法だ。具体的には野村アセットが運用する「TOPIX連動型上場投資信託」。最低売買単位が10株からで、他の同種のETFに比べて手軽で、貯金箱代わりに使える。次に外国株のETFでiシェアーズの「MSCI KOKUSAI」。日本株以外の先進国の株に投資する海外ETFだ。これらを半々ないし、日本株4、外国株6程度に分けて買えばいいだろう。

優良企業株で長期投資ボロ株のリバウンド狙い

積極的に投資したい人は、バフェット式とテンプルトン式の2つの方法がある。

TOPIXの推移と投資家の損失レベルの関係
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TOPIXの推移と投資家の損失レベルの関係

バフェット式とは、著名投資家のウォーレン・バフェット氏の投資スタイルで、安くなった優良企業株を買って長期保有するやり方。最近、バフェット氏はゴールドマン・サックスやGEなどに投資しているが、彼の考え方で日本の優良企業の株を買う。銘柄選択の基準は、時価総額で5000億円以上、PBRが1.2倍以下、PER(株価収益率)で12~13倍以下でスクリーニングするといい。

注意点は業種を分散し、最低3銘柄以上に分散投資をすることだ。また、09年以降、アメリカは100兆円規模の財政赤字を出す危険性があり、1ドル=80円を超える円高もありうる。輸出比率が極端に高い優良企業は避けたほうが無難だ。

テンプルトン式とは、第二次大戦中、1ドル以下まで値下がりした株を大量に買い、4年後に4倍になったところで売却して巨額の富をつかんだ伝説の投資家ジョン・テンプルトンに倣った方法だ。

要はボロ株のリバウンドを狙う。具体的には株価が100円以下、PBR1倍未満、自己資本比率が25%以上の銘柄をパックにして買ってみる。自己資本比率を加味するのは、不動産や建設など、倒産リスクの高い銘柄をはじく意味がある。100円で1000株ずつなら300万円で30銘柄の分散投資ができる。倒産して紙くずになる株もいくつか出るだろうが、数年間持ち続けていれば、有利な運用となるに違いない。

当面は荒っぽい相場が続くだろう。しかし、1年分の生活資金を上回る預貯金があれば、その大半をETFや株に投資してもいいのではないだろうか。

(平原 悟=構成 的野弘路=撮影)