動乱の時代には、機敏に動ける投資をするべき。その点、株は最適です。危ないと判断すれば、いつでも売れます。少額で始められて、徐々に慣れていくことができるという点で、初心者向きともいえます。5万~10万円程度からスタートし、様子がつかめたら徐々に増やしていく、という入り方をおすすめします。

最初に投資すべきは「お世話になってます株」

それではいよいよ、今、何に投資すればいいのかをお話ししましょう。カギは、個人消費にあります。

菅下清廣『知らないと損をする! 株高時代の「お金の教養」』(KADOKAWA)

世界単位で見るとなかなか熱してこない個人消費ですが、日本はこれから、オリンピックに向けた上げ潮に乗る流れ。デフレマインドに浸かった人々の財布の紐も緩み始めます。そのとき、お金がまずどこに使われるでしょうか。

答えはほかでもない、「身近な生活関連商品」です。

景気が上昇し始めると、食材を一段良質なものにしたくなる。ファミレスで済ませていた外食をフレンチのビストロにしたくなる。習慣的に買っていたプチプラコスメを、資生堂など大手メーカーのものに替えたくなる……。その証拠に、安さが売りのコンビニでも、以前よりちょっぴり高価でグレードの高いお総菜やお菓子が人気になっています。

景気上昇期には、こうした生活密着型のモノやサービスを取り扱う企業の株から上がり始めるのです。

醤油や豆腐、歯磨き粉や歯ブラシ、洗顔料や洗剤。昼どきのテレビ番組の合間にCMが流れるような企業は、すべて狙い目です。ただし、毎日使うモノだからといっても、車や冷蔵庫等の耐久消費財を扱う企業はおすすめしません。景気の上がり始めは単価の安いものから売れ始めるからです。耐久消費財メーカーに投資するなら、日本の隅々まで好景気が浸透するころまで待つべきでしょう。

単価の安い、しかし少しだけ贅沢な生活用品。そう考えるとファッション関連も狙い目ですね。男性なら、ゴルフ道具やスポーツジムなど、娯楽や「自分磨き」の分野も上がりそうです。

身近なモノやサービスを提供する会社は、まだまだあるはず。生活のなかで、あなたが毎日使うものや、繰り返し買って使っているお気に入りの商品はありませんか? そんな商品を扱う会社の株こそが、ねらい目です。私はこうした株を「お世話になってます株」と名付けました。

「お世話になってます株」を買うメリットは、第一に「あなた自身がその価値をわかっている」点にあります。たとえば自分が利用していないSNS企業より、自分が魅力を理解している商品を製造販売する会社の株を買うほうが、株式投資の勉強になるのはもちろん、株が上がったときの喜びもひとしおです。

第二に、歯磨き粉やオーソドックスな調味料などの日用品というのは、ある日突然「誰も買わなくなる」ことがないため、多少乱高下があっても大きな心配がいらないのです。

あなた自身の「お世話になってます株」に注目し、できれば少しでも株を買い、今後の豊かな人生への第一歩としていただければと思います。

菅下清廣(すがした・きよひろ)
経済評論家。スガシタパートナーズ株式会社代表取締役。学校法人立命館顧問。
メリルリンチをはじめとする数々の名門金融機関で活躍後、独立して現職。変化の激しい時代に次々予想を的中させることから「経済の千里眼」の異名をもち、政財界にも多くの信奉者をもつ。『今こそ「お金の教養」を身につけなさい』(PHPビジネス新書)、『マネーバブルで勝負する「10倍株」の見つけ方〔2018年上半期版〕』(実務教育出版)など著書多数。
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(写真=iStock.com)