「終わった」自分を受け入れられない

「定年って生前葬だな」。小説『終わった人』は、東大法学部卒の元銀行員・田代壮介の衝撃的な独白から始まる。シニア世代から共感を得、現役世代を戦慄させたベストセラー「定年小説」執筆のきっかけを、内館牧子氏はこう語る。

「まわりが定年を迎えた頃、急にクラス会やサークルの集まりが増えたんです。そこでは、かつてのエリートたちが暇になって『終わって』いた。その様子を見て、冒頭のセリフとタイトルが浮かびました」

(撮影=原 貴彦)
【関連記事】
定年後を充実させる「ゆる起業」の5原則
定年後に"趣味の飲食店"を始めた人の末路
2018上期"失脚おじさん"の残念な共通点
"人生100年も生きたくない"はワガママか
家庭より仕事を優先したシニア男性の後悔