iDeCoで利用できる金融商品は金融機関によって異なりますが、定期預金や保険を選ぶこともできるため、元本割れのない商品でも税制優遇を受けられます。また、NISAは途中で売却すると、その分の非課税枠は失われますが、iDeCoはいったん売却して買い替えても60歳まで非課税は続きます。
iDeCoには、原則60歳まで解約できないというデメリットがありますが、家計が苦しくなっても引き出せないため、確実に老後資金を確保できます。
ただ、iDeCoで積み立てが可能な投資信託は金融機関によって信託報酬に幅があるため、利用する金融機関を慎重に選ぶ必要があります。たとえば国内外に分散投資をするタイプでは年0.18%から2.16%まであり、12倍の差が生じています。
楽天証券やマネックス証券などのネット証券や、イオン銀行などのネットバンクで新たにiDeCoの取り扱いを始めた金融機関は、比較的信託報酬が低い投資信託を揃えています。それに対抗して、SBI証券や労働金庫のように商品ラインアップを見直した金融機関もあります。あるいは、野村證券のように一定条件で運営管理機関手数料を無料にするなど口座管理料を見直すところも増えています。
コストの高い金融機関ですでにiDeCoを利用している人は、金融機関の変更も可能です。手続きに2~3カ月かかるかもしれませんが、長い目で見ればメリットは大きくなります。
▼厳選した金融機関でiDeCoファーストを検討
山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ)
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー
消費生活アドバイザー。ネットを中心に15本のコラム連載を抱える人気FP。著書に『読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方』『誰でもできる 確定拠出年金投資術』など多数。
(構成=向山 勇 撮影=丸山 光 写真=iStock.com)