「考える」とは「結論を導き出す」ということ

さて、ビジネスマナーなどでは、よく「結論を先に」と言われます。

では、結論ってなんでしょうか? たぶん、みんな「結論を先に」ということはわかっているのに、なぜか、

「売上が伸びています」
「今年の展示会はEVが増えていました」
写真=iStock.com/g-stockstudio

などという話をしています。むしろ、こうしたことが結論だと思われているのかもしれません。でも、これらを伝えても事実の羅列となり、結局、「てっぺんのないピラミッド」になってしまいます。

たとえば、「分析したのですが、Aはこんな状況で、Bはこんな状況なんです」と、ただ伝えても相手はそこから何を読み取ればいいのかがわかりません。「現段階ではAのプランを優先させるべきです」と結論を言ってから、「分析したのですが、Aはこんな状況でBはこんな状況で、Aのほうが○と×と△の点で優れています」と加えるとよいでしょう。

「結論」については間違ってとらえている方も多いように思います。これについて、大前研一さんは「考えるとは、知識と情報を加工して、結論を出すことだ」と説明しています。

知識と情報というのは、いずれにせよデータです。「知識」とは「すでに自分の中にあるデータ」、「情報」とは「自分の外にあるデータ」です。

つまり、「考える」とは、「自分の中にあるデータや自分の外にあるデータを加工しながら、結論を導き出すこと」なのです。

「曇りの後は、大抵雨になる」と同じこと

こう書くと難しいようですが、私たちは普通にこれをやっています。

たとえば仕事をしていて眠い時。「情報」として「あれ、僕は今、眠いぞ」と気づく。でも、寝てはいられない。「知識」として、「カフェインをとると、眠気がとれる」ということを知っている。で、この2つの、「情報」と「知識」を頭の中でがっちゃんこして、「よし、(カフェインが入っている)コーヒーを飲もう!」と決めて、行動するわけです。

もう1つ例をあげると、曇っている時、「情報」として、曇っているぞというのがわかる。そして「知識」として「曇りの後は、大抵雨になる」と知っているわけです。

で、この2つを掛け合わせる(加工する)と、「どうも、雨が降りそうだ」となり、「では、傘を持って行こう!」と決めて行動する。これが、結論ですね。

これが、「考えない」とどういうことになるか。「曇っているな……」「雨が降りそうだな……」で終わる。そして、外出して雨に降られ、コンビニエンスストアで傘を買うはめになります。私は特に朝は「考えていない」ことが多いので、しょっちゅう外で傘を買っています。