マスコミの報道に影響される人は事実を見誤る

正解発表の前に、小保方支持派と批判派の定義に触れておきます。まず、小保方晴子著『あの日』にアマゾンで星4と星5の評価をつけたレビュアを小保方支持派、星1と星2の評価をつけたレビュアを小保方批判派としました。ただ、それだけでは小保方批判派が少ないので、STAP細胞論文の不正を詳しくレポートした毎日新聞記者の須田桃子著『捏造の科学者 STAP細胞事件』(文藝春秋)に対して、アマゾンで星4と星5の評価をつけたレビュアを小保方批判派、星1と星2の評価をつけたレビュアを小保方支持派に加えました。

その結果、小保方支持派のレビュアが677人、小保方批判派のレビュアが261人集まりました。

小保方支持派と批判派のレビュアが、上の2冊以外でいずれも5人以上レビューをつけていた本がクイズで選択肢とした5つの本です。そのレビューの評価の平均値を図表に示します。

図表から分かるとおり、小保方支持派と批判派で評価がはっきり分かれているのが元少年A著の『絶歌』です。

ご存じのない方のために補足しますが、1997年に当時14歳だった少年Aは、神戸連続児童殺傷事件を引き起こしました。犯罪の猟奇性ゆえ、当時社会的に大きな関心を集めました。その元少年Aが本を出版することについては、被害者に対する配慮の欠如など大きな批判があり、アマゾンのレビューも低評価のものが多数を占めています。

レビュアの半数以上が星1つの評価をしている中で、小保方支持派の『絶歌』に対する評点の平均が3.9という点は注目に値します。小保方支持者は、反社会的行動一般にシンパシーを感じる傾向があるのかもしれません。

なお、小保方批判派と支持派のアマゾンでの全商品のレビューを収集し、それぞれのグループで使っている単語に特徴があるかどうか調べたところ、小保方支持派は「テレビ」「マスコミ」といった言葉をよく使用する傾向が見られました。

やはり、テレビを中心とした大手マスコミの報道に影響される人は、事実を見誤る傾向が強いようです。

ただし、小保方支持派のレビューは、マスコミに対して批判的なものも多くあります。つまり、単にマスコミを信じているか否かというより、マスコミの情報に常に注目して、それに振り回されることが問題だと考えられます。