「辛くてもタイ・韓国料理は好き」かつ「餃子・焼きそば以外の中華は苦手」の意味

ある若いカップルが道端で会話をしていた──。

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男性「今晩、食事に行こうよ。何を食べたい?」

女性「そうねぇ、辛くないものか、中華以外なら何でもいいわ」

男性「辛いのは嫌いなんだね」

女性「ううん、辛くてもタイ料理とか韓国料理は好きよ」

男性「中華が苦手なんだ」

女性「そんなことないわ、餃子とか焼きそばは大好き」

男性「じゃあ中華でもいいの?」

女性「だから、辛くないか、中華以外って言ってるでしょ!」

男性「ええっ、どういうこと?」

どうも会話がかみ合っていない様子だ。女性の言い方がわかりにくいためだが、これは「ド・モルガンの法則」(英国の数学者オーガスタス・ド・モルガンが発案)で考えると理解しやすい。

その前に、いくつかの記号について説明しておこう。「A:Aでない」「A∩B:AかつB(AとBの共通部分)」「A∪B:AまたはB(AとBを合わせた部分)」。

ド・モルガンの法則は、これらの記号を使って次のように表せる。

(1)(A∩B)=AB

(2)(A∪B)=AB

言葉で表すと次のようになる。(1)「AかつBでない=Aでないか、またはBでもない」(2)「AまたはBではない=AでないかつBでもない」