ラブレターをまとめて30通分書き、1通ずつ投函した

そう考える人は人間の心理がわかってない。印刷のハガキで、心が動くわけがないじゃないですか。思いはアナログのほうが伝わります。内容そのものより、自分のためにわざわざ手間をかけてくれているという事実に人は感動するのです。

もちろんすべてバカ正直に手間をかけていると時間が足りなくなります。だから文面を使い回すなどの工夫をして時間を節約する。見える部分は手間をかけ、見えない裏側のところは効率化する。このバランスが大事です。

私はカミさんを口説くときに、ラブレターを1日1枚届けました。30日続けたら「私のためにそこまでしてくれるの」とコロッと落ちた。でも、本当は1日にまとめて30日分書いて、毎日1枚ずつ投函した(笑)。

工夫してつくった時間に働いて稼げば、最終的にカミさんも喜んでくれる。時間をうまく使うことでみんな幸せになるのです。

小山 昇(こやま・のぼる)
武蔵野 社長
1948年、山梨県生まれ。東京経済大学卒。85年武蔵野入社、89年から現職。670社以上の経営指導を手がける。国内で初めて日本経営品質賞を2度受賞(2000年、10年)する優良企業に育てる。
(構成=村上 敬 撮影=的野弘路)
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